2011年7月31日日曜日

いだ天ウルトラ述懐

や~~っと、いだ天のブログを書けた。
走る以上にゴールが遠かったけど、なんとかフィニッシュ出来た。。^^;
あれからもう3ヶ月以上が過ぎた。

競技を終えた間もなくは、もう、いっぱいいっぱいで、ただただ疲労と安堵の気持ちで、今後のウルトラ挑戦の事なんか考えられなかった。
ひとつ答えとして出たのは、今の走力では100kmの(大半の)競技でフィニッシュ出来ない。
と言う事だった。

あれから日が経ち、次第に競技での痛みやら苦しみが消えて行ったが、それらが解消するにつけ、新たな想いが心を占める様になって来た。
それは、「奥熊野韋駄天」を目指すと言うもの。

「奥熊野韋駄天」とは、いだ天ウルトラの100kmを10回完走(60、75kmについては3回完走で100km2回完走相当とカウント)したランナーに贈られる称号である。
ブログ文中に登場した唯一の女性奥熊野韋駄天は大会13回開催のうち('11年7月現在)13回100km完走と言うとても偉大なランナーだ。
競技中、彼女に叩かれた感触がずっと肩に、心に残っていて、そんな目標が生まれたのは彼女の影響によるところも大きい。
しかし、本質的にはこの奥熊野いだ天ウルトラマラソンに魅せられてしまったと言うのが正味なところであろう。

本当に素晴らしい、愛すべき大会で、初めてのウルトラをここにして本当に良かったと思った。
将来的には(マラソンにおいて)色んな夢があるけれど、それらの夢への第一歩として奥熊野で成長=韋駄天となるを遂げたいと思う。

競技中、山々を駆け巡る風が幾度も吹いた。
その風を身に受けながら、「あ、韋駄天さんが走っている!」
と、オレは感じた。
奥熊野の山々を悠々と自在に駆け巡る韋駄天の姿をイメージ出来た。
いつか一緒に駆け巡りたいな。
絶対無理だけど。(笑)


今回の学習点
自販機を有効活用する。
お茶(緑茶)はさっぱりして良い。
中盤~後半と給食出来る胃腸が必要。
ランナー・エイドの皆さんとのふれあい強化。
疲労しても写真撮影をなおざりにしない。


後日、郵送されて来た写真付きの完走証に写るオレ

                我ながら良い”イキ顔”でゴールしてました。(舌)

あと、オマケとして南紀勝浦温泉旅館組合さんのブログ。
75kmのスタート映像があり、映ってました。(見切れてる)
http://nkosn.blog33.fc2.com/blog-entry-71.html

ああ、憧れの奥熊野。。
来年はもっと楽しめる様、色んな準備が必要やなぁ・・

第13回奥熊野いだ天ウルトラマラソン その5

しかし幸せはそう長くは続かなかった。(笑)
程なく余裕は無くなり、今までダンゴで走っていたランナー達から徐々に遅れだす。
彼らにエイドで追いつき、また離されをくり返すうち、差が広がり、ついにはエイドで追いつけないと言うパターン。

時間経過とともに気温も上昇、決してガマンできない暑さではないが、発汗量も増え、それに比例する様に体力がそがれていく。
先程から歩きは入っていたけど、その歩きの時間がどんどんと増えていった。

エイドでは水分補給しているが、量と冷却という部分で間に合っていなかった。
前方に自販機を発見。
「買うか。」
途中、買い物をするなんて想定は無かったので、財布・金銭はザックにしまっていたから、背中からザックを下ろし、ゴソゴソと中を探る。
ひとつ失敗だなぁ。(笑)
すぐに取り出せるところに少々は入れておかないとダメだなぁ・・^^;

この自販機補給で復活!
までは行かず、延命措置にとどまった。(だいぶマシにはなったけど・・)
そう、ちょっとやそっとでは回復には至らない。
倍比例で疲労が進む為だ。

2度目の熊瀬川エイドから先は重複復路に入るが、この頃にはすでにほとんど歩きになっていた。
脚の筋肉もオーバーヒートに陥っていて、エアーサロンパス噴射でムチを入れつつ進んで行く。
やはり携行しておいて良かった。

まだフル距離を過ぎたばかりだろうか?
先はまだ長いがバテバテウサギになっていた。(笑)
時折り、ランナーが追い抜き際、「がんばって!」と声を掛けて行ってくれる。
オレももちろん抜いていくランナーさんに余裕のある時は「がんばって!」と声を掛けていたが。
あるランナーさんにそうやって声を掛けたところ、「はぁ?」みたいな感じでガン見されてしまった。^^;
「お前みたいにダラダラ歩いてるヤツに何を言われるか!」的な雰囲気で、不思議そうな目で見られた。。^^;
無視とかはおうおうにしてあるが、これにはチョット参った。。
同じ走友なのに・・

苦しいながらも、重複復路と言う事で、出てくるエイドは全て往路で一度訪れたエイドとなる。
こんな格好だから、当然の様に皆さんが声を掛けてくれる。^^
しかし、バテバテで余裕が無くって、給食も出来ず、先程からエイドではスポドリかコーラかの補給ばかり。
(最低限の受け答えの会話で目一杯で、これはもったいなかった。)
消化試合の様相が色濃くなって、楽しむと言う部分の内容が希薄になっていった。^^;

徐々にゴール時間への心配もつのり、精神的にも余裕がなくなってくる。
ネガティブスパイラルにはまり始めた。
絶望的な気持ちに飲まれるのを、なんとかポジティブシンキングで抑えると言うのの繰り返しが始まる。

くじけそうになる気持ちを、「ああ、でも絶対完走木札欲しいよなぁ~~!!!!」
とか考えて、押さえ込む。

・・木札かいっ!=3

もちろんエイドの皆さんの支えも効いた!
と言うか、それがあったからこそか。
「中里会館」では、朝も熱烈声援してくれたおネエさんが、水ようかんを”あ~ん”で食べさせてくれたし、「ゴルフ場前」では”めはり”はすでに売り切れていたけど、お母さんはまだ居てくれていて言葉を掛けてくれた。
「ありがとう!!!!」 あのめはりのお陰でここまで帰って来れました!!!

そして、井鹿会館・・
75kmのスタート地点だ。
帰って来た・・ 帰って来れた・・
「ありがとうございます!なんとかここまで帰って来れました~~!」
と声を張りつつエイドに入っていく。
ここでも当然、大歓迎を受ける。
豆腐をすすめてもらったが、イマイチ欲しくなかった(もったいない・・)ので、いちごを頂いて、少しストレッチをして、エアサロンパスを噴き掛け、さぁ行こう!
「ごちそう様~~!行って来ま~す!」

ここからゴールまでは16km強、今でスタートから約9時間が経過している。
ゴール制限時間までは4時間ちょっとあるから、時間4㎞で行けば間に合う。
かなり疲労していて進めなくなっていても、普通ならセーフゾーンだけど・・
しかし、まだ気は抜けない様だ。
この先に上り区間があるらしい。(と言うか、そんなの頭に入れとけ!やけど。舌)
「くぅ、ギリギリやなぁ・・」

次のエイドまでは比較的フラットだったが、越したとたん上ってきた!
と同時、視線の先の道路脇の看板が目に入った。
「上り7km
あぁ?!=3
ぶっ飛びそうになった。
おいおい!7kmって。。^^;
ゴールまでの残り半分が上りかいっ!
やばいじゃないか!

気持ち的にかなりナーバスになった。
今の自分の脚にはこの坂を走って上る力は無い。
ここまで来て間に合わないかも知れない。
ネガティブで胸が一杯になったが、とにかく歩き続けた。

途中、やはりトボトボと歩くランナーと会話を交わす。
今回、初のウルトラで100kmを走られている。
「やっぱりキツイですね・・」と言いながら、彼は立ち止まってストレッチを始めた。
「がんばりましょう!」と力無くその彼に声を掛けて、オレは歩き続ける。

エイドが出て来たが、止るのが惜しくてスルーした。
今回は今まで各駅停車を続けて来たが、ついに途切れた。
それから、一旦、上りの傾斜が無くなり、フラットの区間が現れたが、ここぞとばかりにすかさず余力の目一杯を使って走った。
嬉しかったが、数百mほど進んで、また上り始めた。

歩いて歩いて・・
前方にまたエイドが見えて来た。
南平野三叉路エイドだ。
長く続いた上りも、このエイドをピークとして下って行く。
少し光明が見えたか??
水分補給の後、走って下って行く。
傾斜がきつく、その注意を促す看板が道路脇に。
「下り、ピッチ走法で」と。
そんなきつめの下りなので、疲労した脚にはやはりこたえる。
結局、歩き主体となる。

目に写る景色はずいぶんと姿を変えた。
ここまでは四方を山に囲まれた格好だったけど、視野が通る空間が出て来た。
「あっ!」

                 海が見えた!熊野灘だ!

棚田越しに見えた”初めての”海に心が躍った。
少しだけパワー復活。
「もうちょっと、もうちょっと・・」
もう、完全に歩きばかりだけど、進む。
かなりトボトボで、背中に哀愁をおびていたが(実際、他のランナーさんに言われた。「背中に哀愁が・・」と。^^;)、自分にとっては、それが今出来るマイ・ベストだった。

そんな風に歩いていると、後ろから「ハァッ!ハァッ!」と息を荒げつつ、良い勢いで近づいてくる女性ランナーさんを察知した。
「おお~、スゴイ勢いで頑張ってはるなぁ~」
とか思っていたら、彼女に追い抜かれ様、「パシッ!」と肩を叩いて行かれた。
不意の事だったからビックリした。
「え?邪魔やった??」
とっさで訳がわからないままその女性を見ると、なんとその方は女性唯一の「奥熊野韋駄天」の方だった!
あっけに取られていると、オレの前を行く数人のランナーにも追い抜き際、肩を叩いて行く。
「そうか・・」
そう、彼女は追い抜くランナーに気合を注入しつつ走っていたのだ!
「すごいよなぁ・・」
そんな彼女に感動していると、後ろから車が抜かして行った。
その車が彼女を追い越そうとした瞬間、彼女が車の方へと進路を変えた!
「危ない!!」
彼女に抜かれた我々は口を揃えて叫んだ。
一瞬、悲惨な悲劇の場面を目の当たりにするのか!?
と、焦ったが、彼女も車もお互いをかわして難無きを得た。^^;
彼女はオーディオを聴きながらだったのだろう、イヤホンを装着していたから・・

そんなこんなで歩きながら進んでいると、道路はやがてT字路にぶつかる。
前方、左右に走る道路は、朝、駐車場から100㎞スタート地点である那智の大滝へと至る道路だ。
交差点には最後のエイドがあった。
が、スタッフに一礼してスルー。
右折する。
残りあと2,8kmだ。
久し振りで走り始めた。
「あと2㎞」の地点まで走ろう。
そこから、「あと1km」地点まで歩いて、残りの1kmを走ってゴールしよう。
そう決めて走る。
前方に、あと2㎞看板が見えた。
朝、那智の大滝から75kmスタートへ向かう途中、バスの車窓から見た看板だ。
果たしてここまで来れるのか??全く確信が無かったが、現実として目の前にしている。
「戻って来れた・・」

その看板を通り越してまた歩く。
この時点でスタートから11時間半を過ぎていたか?
上手く行けばサブ12出来るなぁ・・(笑)
せっかくならしたいなぁ・・
とか考えつつ進んでいると前方に「あと1km」看板が見えて来た。
と同時に後方から、「ウサギ~~!! やぁ~っと追いついた~~!!!」
と、叫ぶ声。
すぐに”ピン”と来た。
朝、スタート直後、しばらくご一緒していたハッピ氏だ。
その声に振り返ると、なんとスパイダーマンだった!(笑)
ハッピ氏、荷物エイドにスパイダーマン仮装を用意しておいた様だ。
なんだぁ~、最初からスパイダーマンで走れば良かったのに!(笑)

丁度、残り1kmで追いつかれたので、オレも走り出す。
しかし、スパイダーマンのスピードの方がずいぶん勝っていて、あっという間において行かれてしまった。。^^;
まぁ、いい。(笑)

                     
                 は、速い。。

あれこれずいぶん大変だったけど、いざフィナーレを目前にすると、なぜか?さびしい気分が出て来た。
ゴールを、終わりを、それこそを目指していたのに、終わってしまうのが残念に思えるのだ。
不思議だけど。

これまで進んだ道路から、旧道へと進路を変えると、いよいよゴールは目前だ。
ウエストポーチからデジカメを取り出す。

                 既にフィニッシュのランナーから大きな声援を頂く。

そして、道路から左折れして栄光のゴール、ヴィクトリーロードへと入って行く。                 

                 ヴィクトリーロードはビックリする細さだった。。(笑)

前方では平安装束の娘さん達がゴールテープを張ってくれている。
万感の思いで、ゴール!!!

ウサギのフードを外し、振り返ってゴールに一礼した。

平安装束の娘さんが”欲しかった”完走木札を掛けてくれた。

「ありがとうね~!!」と関さんが握手をして来てくれた。
もう、感極まって落涙してしまいそうだったが、オッサンのむさ苦しい涙など見たくないとばかりに「ハイハイハイ・・」といなされてしまった。
オレもそれを察知して踏みとどまった。(笑)

感動に浸りつつも、後続のランナー達のゴールが続いている。
フィニッシュを遂げたランナーに、ゴール横に陣取ったスタッフさんがバンザイ三唱で賞賛している。
オレも頑張って帰って来た走友の皆さんにに声を掛けたくて、スタッフさんと一緒になってバンザイを叫んだ。

ゴールを目の前に、満面の笑顔のランナー、苦悶の表情のままのランナーと様々だけど、どの顔も素晴らしく、見ていてジンと来る。

少し興奮もおさまったところで、”おもてなし”のビール、うどんを頂いた。

                      
                 具沢山でリッチなおもてなしうどん

やがて日が沈み、辺りが暗くなって来た。
もっとこの場に居たいけど、結構疲れが来ているので撤収としよう。
預けていた荷物を受け取りに行くと、「参加賞です!」と玉ねぎをもらえた。(笑)
(甘い甘い新玉ねぎだった。)
それから”ケンケン”で行けそうな至近の道の駅併設の温泉で汗を流した後、スーパーにて食料とビールを買い込み、駐車場の自家用車車内にて打ち上げを行った。

ホントに疲労が激しく、ビール500缶1本でKO(笑)
食事も途中だったけど、そのまま横になるカタチで眠ってしまった。
朝、目覚めると半乾きになった「まぐろのにぎり」(←晩メシだった。笑)が、大半残ったままあった。
若干色も変わりつつあったけど、におったら大丈夫そうだったので、そのままスライドで朝メシとなった。 4/24

2011年7月30日土曜日

第13回奥熊野いだ天ウルトラマラソン その4

                 「頂上まであと2㎞」の看板が前方に見えて来た。

うわぁ~、2㎞も上りかぁ・・^^;
苦笑いしながら進む。
進むうち、斜度がきつくなる区間が出て来たので、そこは素直に歩く。

「坂のきついところは歩いて・・」
と、木津川マラソンの前夜にお話ししたハセさんの言葉を思い起こして。
(ハセさんは昨年同じ75kmの部に出場されたのだ。)

                 ひたすら上りが続く。

しかし、しんどいよりも周りの美しい風景が勝っていて、気持ち的には楽しく進んでいけた。
「おっ!」っと思える景色に出くわすと、その度にデジカメのシャッターを押す。
時に立ち止まったりしながら、自分撮りしながら・・
そんな風にやっていると、「押しましょうか??」と親切に声を掛けて、カメラマンをかって出てくれる方もいるので、それに甘えて撮って頂く。

                 ここはそんなに絶景でもないんやけど・・^^;

とりあえず頂上も過ぎたし・・
バテバテな様が分かりますね。。=3

さっきの頂上以降は緩やかに下ったり、またちょっと上ったりしながら色川の集落へと入って来た。

中学校があって、

                  比較的小さな校庭。ピンクの花は何の花なんだろう?

小学校もあって。

                  視線の先にはこんな応援看板があって・・

小学校の生徒達が描いてくれたんだなぁ・・
鮮やかな色使いに、自由な表現。
とても平和だし、その気持ちが嬉しくて、ジンと来た。
ホント、東北では大変な日々が続いていて、そんな時にこうして走れている自分はとても幸せで・・

「みんなの想いをのせて走る!」
今回のテーマであるその言葉をかみしめて、何とかゴールを目指すんだ!!と今一度奮起した。

             更に前方には、今度は個人の応援看板が・・

おお、スゴイ!個人応援やな。
他人への応援なんだけど、なぜか自分にも応援してくれている気がした。(笑)

続け様に感動を受けつつ、次のエイドに入っていった。
ここではお味噌汁が用意されていた。
丁度、身体が欲する給食の条件を満たしていたので、飛びつく様に「いただきます!」
と、手を伸ばした。

ひと口つけると、「ん!?」
ぬるかった。。(笑)
でも、次の瞬間、「あ!」っと合点がいった。
「なるほどぉ~」
そう、熱々のお味噌汁では飲みにくいし、火傷の危険もあるから、わざとこのぬるさなのだ。
「はは~ん」と感心しながらいただくが、味も見事。
「おいしいおいしい!^^」と飲んでいると、おばあさんが、「ダシがかつお節じゃなくて、じゃこだから味が濃くておいしいでしょう?^^」と。
うんうん、コクが深い。

これはいい!と味噌汁をデジカメに撮ろうと、カメラを向けたら・・・

                 お味噌汁の向こうでオジサンがポーズ。(笑)

「あ、違うか。(笑)」とか言いつつピースサインだった。=3
「いえいえ!むしろ撮らせて下さい!」とオレ。

笑いと栄養を補給して、さぁ!進んでいく。

                山々の緑に、桜や藤がアクセントをつける。

                 山々の緑にピンクのウサギ・・ 映えてますか??

             
                 棚田では苗が植えられようとしている。

秋の実りへ、動き始めた春の奥熊野。
美しさと、喜びに包まれながら進んでいく。                 

気がつけば7月も明日でおしまい

そして明後日はもう8月。。

はぁ、(ブログ)書けんなぁ・・ (舌)